世界最小Windows 7搭載PC に思うこと




















ケータイとPCを統合したパソコンケータイ「F-07C」を富士通が開発しました。

世界最小WindowsPCとしては、1995年にIBMから発売されたA6サイズの「ウルトラマンPC」を思い出します。
Palm Top PC 110にWindows3.1を載せて動かしたもので、発売当時は198,000円もしました。

1996年発売のToshiba Libretto 20は当時世界最小・最軽量のWindows 95搭載PCとして登場しました。
しかし、20万もの大枚を叩いてPCとして使えたかというと、答えはNOで、扱いにくいマシンを俺は使っているのだという自己満足でしかなかったように思います。
なぜ、昔話をしているかというと、富士通の画期的(?)なパソコンケータイ「F-07C」も結局同じではないかと思われるからです。
PCの性能を測るモノとして、Windows7にはWindows エクスペリエンス インデックスが搭載されています。
コンピューターのハードウェアとソフトウェアの構成を測定し、数値で表わす機能で、各コンポーネントを 1.0 ~ 7.9 で評価して、その中で一番低い値を基本スコアとしています。
基本スコアの数値によって使える機能が以下の通りです。
2.0 はビジネスプログラムやインターネット検索など。
3.0 はAeroやWindows 7 の機能。
4.0~5.0 は Windows 7 の新機能。
6.0~7.0 はマルチプレーヤーや 3Dゲーム、HDTVの録画や再生。
では、Office Personal 2010を搭載した F-07Cの評価はどうでしょう?

基本スコアが1.1と、ビジネスプログラムやインターネット検索などが充分に使えないレベルです。
F-07Cは写真のように「クレードル」と呼ばれる別売りのスタンド型拡張機器にドッキングさせると、AC電源が使えます。
クレドールのHDMI出力端子に大画面TVを接続し、USBポートにキーボード・マウスを繋げばデスクトップPCのように使えるのですが、CPUが なんせAtomにWindows7を動かしているのですから、ひところ流行ったネットブック以下の性能です。
なにより致命的なのはWindows7として使っているとバッテリー寿命が2時間、実動1時間しか持たないことです。
バッテリーが切れるとケータイとしても使えませんから、予備電源として本体とさほど変わらない大きさのMOBILE BATTERYを併用することになるでしょう。
15年前の Libretto 20でも6.1インチのTFT液晶を使ってバッテリー寿命は6時間でした。
4インチWSVGA液晶で2時間というのはOSを電気喰いのWindows 7 Home Premium 32bitを採用しているからで、せっかくWindowsを搭載しても、Officeソフトが満足に使えないなら意味がありません。

Webに繋がれば、GoogleドキュメントやOffice Web Appsが使えるのですから、OSはAndroidの方がマシンに対する負荷が少なく、バッテリーが持ちます。
Motorola Atrix 4G が良い例で、4インチTFT LCDで実働7時間~8時間は使えます。
結局、F-07CはFMV-BIBLO LOOX Uの次に、世界最小WindowsPCを謳うため、こんなんも作れますよというメーカーの自己満足にすぎないということでしょうか?

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