新年のカメラ雑誌を見てみると、ミラーレス機の話題満載で、早く35mmフルサイズのミラーレス機が登場して欲しいとの要望がありました。
ですが、このような意見はあまりにも過去を引きずった勘違いのように思います。
先に世界初のデジカメとしてKodak DCS100 を紹介しました。
受光体としてのフイルムを画像素子に変えただけで、ボディはスチールカメラのNikon F3を使っていました。
国内では1995年にKodakの画像素子を利用したCanon EOS DCS 3 が出ました。
EOS DCS 3 130万画素 1268 x 1012 pixels 198万円
35mmフイルム用の一眼レフそのままのミラー及びブリズムを持つ構造が受け継がれてきました。
この発想ではメカニカルな基幹部分の技術を持つカメラメーカーが優位となってしまいます。
そこで、2008年に豊富な電子技術を持つ家電メーカーPanasonic が大きなモニターがあるのだからファインダーも不要、よってミラーもプリズムも要らないミラーレス機を登場させました。
Lumix DMC-G1 1210万画素 7万7千円
ミラーボックスが無いのですからペンタ部も不要ですが、外観にそれらしきものを残しているのがご愛嬌。それほど先入観を抜くことの難しさを示している例として面白いですね。
そして、カメラ界の両雄の1つ、Nikonが昨年ミラーレス機を出しました。
Nikon 1 1010万画素 13.2mm×8.8mm
ようやくにして、フイルムの呪縛から脱したデジタルカメラならではのスタイルが登場したように思われます。
そして、残るCanonのミラーレス機の登場が期待されますが、実は既にCanonはミラーレス機を誕生させていたのですね。
EOS C300 829万画素 1920×1080動画(50Mbps)
メーカーとしてはEOS 5D Mark IIで1920×1080のフルHD画質の動画(30fps)を実現し、それを発展させて、ハリウッド映画の撮影用シネマカメラとして開発したものです。
映画撮影ではすでにデジタル化が進んでおり、小さなファインダーを覗いて撮影するスタイルから、カメラマンは(そして監督も同時に)大きな外部モニターを見ながら撮影するスタイルになっています。
という訳で、このEOS C300 はミラーボックスの無いミラーレス機だったのです。
約800万画素のスーパー35mm(36mm×24mm)で1秒に50コマ連写する高速連写デジタルカメラです。
このようなデジ一眼が普及すると、決定的瞬間は動画から1シーンを静止画として切り取ることで誰でも簡単にできてしまいますね。
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